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橋本ゼミ グループ発表 2011年度前期

中川千裕

 


 

・タイトル:過去・現在・未来

 まずはタイトルについてですが、私たちは今まで原発について調べてきました。原発の過去、そして現在の原発の体制を学び、我々は原発が持つ様々な問題点に気づきました。そのうえで、私たちはこれから原発とどう向き合っていくべきなのか、未来の私たちがどうあるべきなのか、一つの道しるべを示したいと思います。

 

 

・目次

 はじめに世界と国内の原発事故について、そして原発のメリット、デメリットをもう一度確認したいと思います。

その上で私たちのビジョンを述べます。これは明確な脱原発を示すものです。そのために必要なのが現在の制度を見直すことです。また同時に我々国民の意識を変えるためにどうすべきかについても言及したいと思います。

 

 

・チェルノブイリとスリーマイル島原発事故

 ではまず世界と国内の原発事故についてです。

チェルノブイリ原発事故は1986年に旧ソ連で起きた事故で、この事故後、時間はかかっていますがスウェーデンとドイツは脱原発の方向へと進んで行きました。一方日本はチェルノブイリ事故の放射能が日本で検出され始めると、全国的に反発運動は起き、新しい場所への原発立地は困難になってきました。しかし事故後も新しい原子炉を次々と運転させ、燃料リサイクルの実現に向けて高速増殖炉を運転させようとし続けている点から、世界から特異な存在として注目を浴びました。

スリーマイル島原発事故は1978年にアメリカで起きた事故で、原因は異なりますが冷却水が失われメルトダウンした、という経緯は/先日おきた福島第一原発事故と似ています。

 

 

・日本で起きた原発事故

 次に日本で起きた原発事故の代表例として、まず1999年に起きたJCO臨界事故が挙げられます。これは作業効率ばかりを優先するあまり、いつ臨界が起きてもおかしくはない環境下での作業、そしてその危険性を作業員自身が知らないという状況で起こり、結果として2人の作業員が死亡する大事故となりました。死亡した2人は骨髄移植や皮膚移植など様々な治療が施されましたが、最終的には成すすべがなく毎日包帯を変えるだけの治療が続きました。高度な現代医療をもってしても被曝治療には全く歯が立ちませんでした。

次に現在進行形の福島第一原発事故です。/先ほどスリーマイル島原発事故と似ていると述べましたが、事故が起きてから3カ月以上たったけれども未だに終息していない点、そして水素爆発が起こり建屋が大破されてしまったという点が違いであり、またその点より福島第一原発事故がより被害が大きい事故であると言うことができます。

さらに2007年新潟県中越地震が起きた直後、柏崎刈羽原発でもあわやメルトダウンすれすれの危機が起きていました。この時は変圧器で火災が起き、外部の電気を送り込むために電圧を調整できず、冷却措置が出来ませんでした。非常用発電ディーゼル機は使えたため、かろうじて大事故は免れました。私達はこの事故から何か教訓を得ることはできなかったのでしょうか。

 

 

・原発は低コスト?高コスト?

 原発は火力発電と比べると燃料コストが安いですが、資本コストは高いです。日本では総じて設備利用率は低いですが、設備利用率が低くなるとその分コストは高くなってしまいます。また最終コストが不確実であり、揚水発電問題もあるので、今まで以上の政府による手厚い保護が無ければ電力会社は採算がとれません。そのためやはり原発は高コストといえるのではないでしょうか。

 

 

・原発の歴史、原発のメリット・デメリットを踏まえて

 原発の歴史、原発のメリット・デメリットを踏まえて、我々は政府が今すぐにでも原発を廃止すべきだと考えます。メリットとデメリットを比べてきましたが、あまりにもデメリットの数が目立ちます。また過去の事故が起きた現場では、今も目に見えない放射能の恐怖におびえ続けなければいけません。たかがタービンを回すだけの装置にそこまでのリスクを課す必要はもうないのではないでしょうか。

しかしいきなり原発を廃止してもエネルギーを安定的に供給できなくなるのではないか、他のどのエネルギーを使うべきなのかなどの不安は残ります。そこでここからは私達の意見として、現状のエネルギー政策を見直しどう改善すべきか、また国民の原発に対する意識を変えるために、つまりどうやって国民に正しい情報を伝えていくべきかについて考え

ていきたいと思います。

 

 

・国民の意識を変えるために

 以上制度をどうすべきかについて述べてきましたが、制度を変えても我々の意識が変わらなければ何も意味がありません。また我々が自発的に考えなければ政府に文句があったとしても何も行動を起こすことができません。

国民の意識を変えるためのプロセスとして、まずは様々なメディアの力を使って正しい情報を与えること、そして国民が正しい情報を身につけること、そして国民に自生的に考えさせるきっかけを作ることが重要ではないかと考えます。

そのために具体的にどうすべきかについて3つの方法を示したいと思います。

まず1つ目はネットを活用することです。我々はネットを活用することによって様々な情報を得ることができます。膨大な量から正しい情報を身につけるのは大変かもしれませんが、例えばYahoo!Googleのトップページに原発関連の情報をすべて見ることができるようにすれば私たちはより簡単に原発についての知識を身につけられるようになるのではないでしょうか。

2つ目は教育改革を行うことです。義務教育など比較的初期の段階から教育によって原発の情報を与えることにより、その分原発について考える時間が長くなり、より身近な問題として捉えることができるのではないでしょうか。

そして3つ目に公共放送で毎日ミニ番組を流すことです。テレビというもっとも親しみやすい媒体を使って短時間でも毎日原発についての様々な情報を流すことで国民に原発の知識をつけることが可能になると思います。

以上3つの考えは実現可能かどうかまだ難しいかもしれませんが、国民の意識を変える、という点では有効な手段であると考えます。